美波と深草はエミレーツ航空機の潜入に成功し、嵐からの指示もあって高瀬川の捕縛へ向かう。
なぜ嵐は高瀬川を必要としているのか…。
時は遡り…嵐が南極マクマード基地にてアンドロイドであるエンツォを仕留め、秘密結社の代表を名乗るヴェゼル・エジソンと遭遇した直後のことーー
1月1日 南極
マクマード基地
PM 10:12
「オイ!ジジイ!!ふざけんな!!これってまさか…まさかだよな……クソッタレぇぇぇ!!」
基地崩壊へのカウントダウンはもはや一刻の猶予もなかった。
満身創痍の嵐であったが、火事場のクソ力とはこういうことを言うのだろう…地に伏していた壬生と瀕死の京極を抱き上げ、崩落し始めた床を駆け抜け…ようとしたが、間に合わず2人を抱きかかえたまま嵐は崩落に呑まれた。
降り注ぐ瓦礫に打たれながらもなんとか落下の衝撃に備えようと辺りを見回したその時…全身がコットンスノーキャンディのような冷たくも絹のような優しさに包まれるのを感じた。
幸いなことに嵐が落下したのは、まだ積もりたての新雪の分厚い層の上だった。
しかし、依然として大地全体が地鳴りを上げ、完全崩壊へのカウントダウンを刻んでいる…嵐はすぐに立ち上がって2人を抱え直して周囲を見渡した。
崩落により基地の半分外に出たのか、洞窟のような岩窟の中に自分がいることに気付き、さらには海へと繋がる湾らしき水辺の中に、崩壊で外壁から外れたぶら下がるLED電灯にゆらゆらと揺らめき照らされた銀色に輝く巨大な潜水艦が停泊していた。
「こ、これは…米軍の潜水艦!?マクマード基地の置き土産ってか…これに乗れば脱出できる!!」
希望を宿した嵐の目はさらに力を湛え、新雪の上を走って潜水艦に続く乗船橋へと向かった。
操舵席に辿り着いた嵐は死に物狂いで潜水艦を起動させ、どこに向かうでもなくアテのないまま発進させた…と同時に緊張の糸が切れたのか、抱きかかえていた2人を手放して自身もまた床に倒れ気を失った…迫り来る人影にも気付くことなく。
それから丸2日が過ぎたーー
1月4日
AM0:02
重い瞼を開けると、瞳の奥に眩いばかりの光が射し込んできた。
そこにあるのは真っ白な見知らぬ天井とLEDの蛍光灯の光。
「……ここは…助か…
復活の雰囲気たっぷりに目を覚まそうとした俺の言葉を遮って別の言葉が割り込んできた。
「あ、やっと起きた。寝すぎ。」
「……へ?」
遮った言葉を発した方向を向くと、そこにはボブほどの長さでサラサラのブロンドヘア、内側の毛先はやや青みを帯びており、濃いアイラインとマツエクをみっちりと施したようなボリュームたっぷりの目元、口元にはリングのピアス、ダメージ加工があちらこちらに施されたブラックデニムのスキニーに伝説のロックバンドKISSのメンバーが描かれた黒いTシャツ。
海外のバンギャのような出で立ちにも関わらず、その衣服の上から似つかわしくない白衣を纏い、捲し上げられた袖から見える腕には紅蓮の彼岸花のタトゥーが彫られている…そんな女が椅子に座っていた。
(な、なんなんだ…コイツ。白衣…ってことは…医者か!?いや、医者にしては見た目イカツすぎんだろ!?)
あまりにパンチの効いたケバケバしい出で立ちに面食らった嵐は一瞬、言葉に詰まったが、とりあえず返事をした。
「あ、あの、すみません…アンタだれ?」
「アタシ?アタシはこの船の…」
(船…てことは、あの時乗り込んだ…潜水艦の中か、ここは?……ん?!)
「この船動いているのか!?」
「ちょっと、まだ話してる途中…はぁ…。ていうか、船はアナタが動かしたんでしょ…残念ながら動いてるよ。アタシの船、勝手に出航させるなんて…」
「え…これ、アンタの船なのか!?」
「ん〜違うけど…アタシの船みたいなもん…だって、アタシはこの船の船医だから」
(船医…てことは、やっぱ医者なのかよ…俺の身体、手当てしてあるよな、これ…この人が?このルックスで?いやぁ…想像つかねぇわ)
布団の中身の自分の体に目をやると、上半身の至る所に包帯が丁寧に巻かれ、エンツォを殴って砕けた右拳にはギブスまで取り付けてあった。
「アンタが手当てしてくれたのか…ありがとう。船を勝手に動かしたことはすまない…ただ、あそこにあのまま停泊してたら、たぶん沈没してた…と思う…」
「そうなんだ?ふーん…なんか外、騒がしいとは思ってた。で、アナタは誰?」
(米軍側の人間とはいえ医者なら中立だよな?…まぁ、俺らみたいな軍人でもない人間が南極にいた時点で怪しいよな…ここで嘘ついてもバレるか)
「あ、ああ、俺は英国諜報局…通称、MI6所属の諜報員、嵐だ」
「MI6…あの007で有名な?…本当にあったんだ…でも、アナタ、全然そんなふうに見えないね…。アタシはベリーサ……よろしく」
見た目はイカツイが、どうやら悪い人間ではなさそうだ…そう感じた嵐はこれまでの経緯をベリーサに説明した。
半信半疑ながらもベリーサは嵐の話を聞いた上で、これからどうするのかと問いかけてきた。
「とにかく…一刻も早く本部に連絡を取りたいのと、今回のテロ事件の首謀者っぽいヴェゼルってジジイの居所を探したい…ところだけど、身体がまだ思うように動かないこの状況じゃどうしようもねぇかな…」
「連絡は…アタシも取りたい人がいる。でも、この船の通信手段、壊れててどこにも繋がらなかった…どこかに寄港しないと、たぶん無理。あと、嵐の身体、いろんなところ打撲してるからまだ動かない方がいい。治るまでもう少し時間かかるし、今は寝たほうがいいと思う」
ベリーサの言う通り、嵐はまだ身体の自由が効かず、寝たきりの状態でしかいられなかった。
それに加え、久しぶりに目を覚まして話をしたからか体力の消耗が激しく、眠気が急に押し寄せて嵐は再び眠りに落ちた。
航海3日目
1月4日 AM 10:27
「う、うぅーん…いだっ!?」
ーーいててて…全身ケガすると寝返りもうてないのか…。えっと…昨晩、目が覚めたらケバい医者がいて、そいつと話をしている途中で寝ちまったのか…でも、何か大事なことを忘れてるような気がするんだよなぁ………ん!?
「ベリーサァッッッ!!!!くそ!いねぇのかよ!」
辺りを見回したがベリーサの姿はない。ベッドの枕元にプッシュ式のスイッチがある…これはもしかするとナースコールってやつだろうか。
俺は鉛を巻き付けられたように重い腕を痛みに耐えながらスイッチにまで伸ばし、震える指先でスイッチを連打した。
ーー2分後
「……なに?今、取り込み中なんだけど…」
客室の入り口に現れたのは生まれたままの姿にバスタオル1枚を巻き付けたベリーサだった。
「うおっ!?ご、ごめん!いやでも緊急っつーかちょっと聞きたいことが!!」
「……なに?」
「俺が連れてきた…っていうか、あと2人、俺と一緒にこの船に乗ってたヤツらがいるはずなんだけど…そいつらの容態はどう…なんだろうか?」
「2人?ん…知らない」
「マ、マジか…え、てことはこの船に乗ってない…いや、そんなはずは……」
「ウソ。別の部屋で寝てる」
「アホか!!こんな時にややこしい嘘つくんじゃねーよ!!」
「だって、お風呂のジャマ…されたから」
「うっ…それは申し訳なくだな…じゃなくてぇ!2人とも生きてるんだな!?」
「若いほうは背骨、折れてたから…脊椎損傷しかけてたけど、なんとかなった。もうしばらく絶対安静。嵐よりは回復に時間がかかると思う。もう1人のほうは……」
ーー壬生は助かったのか。よかった。京極は…衛生兵器のレーザーで体に穴空いてるもんな…
「医学的に言うとオッサンのほうも生きてる」
「お、おま…オッサンて。でも生きてるのか!?よかっ…」
「あくまで医学的。身体に穴が空いてた…そこからたくさんの血が出たから、血が不足してる。この船、輸血用の血液はないから…身体は血液循環がしっかりされないと細胞が壊死してしまう。オッサンの場合、心臓は無事だった…でも、穴が空いて循環ルートが断たれた。だから血、全身に巡ってない…細胞が死んでいって、壊死した部分、使い物にならなくなる。今も血液循環のスピード落ちてる…だから、脳にも血、ちゃんと流れてない。記憶障害とか、下手したら目、覚めないかも。ゆっくり死んでいく…そんな感じ」
「そ、それって…もうほぼ植物状態ってことかよ…」
「話、それだけ?じゃあ、お風呂入ってくるから」
「お、おい…なんだよ。どうしてそんなに冷静なんだよ…本当に医者かよ…。京極が…いや、まだ助かる手はあるはず……」
同時刻
船内シャワールーム
ーー助からないワケじゃない。昔、学会で会ったマクラーレン博士…生きてたら、たぶんなんとか…なる。
航海6日目
1月7日 AM 11:19
ベリーサの手厚い看護の甲斐あって、嵐の傷はだいぶ回復が進み、リハビリも兼ねた筋トレを行っている時のことだった。
「あの…嵐さん…」
声がした方向に目をやると、病室の扉を開けた車椅子姿の壬生がいた。
「おお、壬生!お前、目が覚めたのか!」
「はい、おかげさまで。ベリーサ先生から話は全て聞きました…その、裏切り者の俺なんかを助けてもらって…あの、ありがとうございます」
「んなのいいって!自分を蔑むなよ…あれは仕方ねぇことだったんだから。堅苦しいのはナシにしようぜ。それに、お前がいなきゃあの時、エンツォは抑えられなかった訳だし。ていうか、寝てなくていいのか?」
「はい…ベリーサ先生に許可はもらってます。まだ立ち上がることはできないので、とりあえずこれを借りて来ました」
車椅子に手を添えた壬生…脊椎に軽くダメージを受けた影響か、その脚にはまだ生気は感じられないほどに弱々しく、車椅子のフットサポート部分にただ乗っかっているだけのように見えた。
「あんま無理すんなよ…陸に着くまではまだ時間がかかるらしいから、それまで安静にな」
「はい……あの、室長のことも聞いたんですが…」
「え、あ、ああ…今は"ただ生きてる"だけで、助かる見込みもないってな…あの女医、ヤブじゃねぇのか、ったく…京極がそんな簡単にくたばるような気はしねぇんだけどな…」
京極は今、人工呼吸器で辛うじて延命処置が施されているが、すでに指先の細胞の壊死が始まっており、意識が戻る気配も全くといってなかった…嵐も京極のその姿を目の当たりにして、助からないことは薄々感じていた。
「そのことなんですが…俺も信じられなくて、ベリーサ先生に色々としつこく問い詰めたんです。そしたら……」
「はあっ!?の、脳移殖!?」
「はい…もちろん、生きた人間での前例はないみたいですが、脳移移殖についての研究を続けている博士がドイツにいるようで。様々な条件が全て揃えば…って」
「マジか…脳なんて移殖できるものなのかよ。臓器じゃあるまいし…極論で言ったら、どこかのオッサンの身体に京極の脳を移殖できたとしたら、見た目は知らねぇオッサンなのに、中身は京極になる…ってことだよな…?」
「ど、どうなんでしょうか…そこらへんはよくわからないですが、たぶん、そういうことだと…」
嵐はすかさずナースコールに手を掛け、ボタンを連打した。
2分後ーー
「…なに?うるさいんだけど。アタシ、ナースじゃないから。気安く呼ばないでほしい…」
「いやいや!ちょっと待てよ!京極の話!脳を移殖って…マジかよ!?」
嵐の言葉に一瞬ベリーサが固まったかと思えば、頬を膨らませ、ふくれっ面で壬生のほうを一瞥してから、言葉を続けた。
「強いて助ける方法があるとすれば…の話。あくまで方法ってだけ。でも、その手術が成功する可能性はゼロ」
「はあっ!?なんでだよ!?」
「全ての条件が揃わないと、その手術はできない。その条件は移殖先の人間は18歳以上、年齢差は移殖元の人間の前後5歳まで。そして、同じDNA配列を持つ身体であること…つまり、絶対不可能」
「待てよ…同じDNA配列って、えーっと…」
「要するに年齢が近い状態のクローン人間でもいないと無理…ってことですよね?」
頭の悪そうなリアクションをしていた嵐を出し抜いて壬生がベリーサに尋ねた。
「ん。そゆこと」
「クローン…マジかよ。エリア51が残ってれば、可能性はゼロじゃなかったってか…クソっ!破壊しちまったの、俺たちじゃねぇか…」
ネバダ州の砂漠地帯に位置するエリア51…都市伝説的なイメージから米軍の宇宙人研究の秘密基地として認知されてきたこの地において、2年前…元JACKAL2代目長官であり、稀代のテロリストでもあった右京仁の陰謀を阻止するために、嵐たちJACKALのエージェントはエリア51に乗り込んだ。
そこで嵐たちが目の当たりにしたのは、宇宙人研究などではなく、当時の最新鋭の技術に囲まれクローン人間精製の研究が行われている軍事要塞という真実であった。
結果的に、嵐たちが大暴れした…という表現が正しいか定かではないが、エリア51は嵐に敗れた右京と共に膨大な研究データを残したまま爆発を伴う大きな炎に飲み込まれ、完全にこの世から姿を消したのだ。
「へぇ…エリア51壊したの、嵐だったんだ。うん…っぽいね」
「え…それ、褒めてる?」
「褒めてない」
嵐とベリーサが夫婦漫才的なやりとりをしているのを他所に、壬生は独り呟いた。
「クローンを用意するっていう案は無理…もはや、諦めるしかないのか…室長……」
航海14日目
1月15日 PM 0:37
2週間が経ち、ほぼ完治に至った嵐は相変わらず筋トレを、驚異的な速さで回復し、おおよその後遺症も残ることなく万全を期すため下半身のリハビリを行う壬生。
「暑苦しい嵐は100%健康。壬生ももう退院していいレベル」
ベリーサが電子タバコを片手に2人がいる医務室に入ってきた。
「オイ、ベリーサ…ここ一応、医務室だぜ。タバコ吸いながら入ってくんなよ…」
汗だくで半裸の嵐が呆れた顔でベリーサにクギを刺す。
「電子タバコだから問題ナシ。副流煙だってないんだし。むしろ、嵐のその汗臭さのほうが公害」
「いや公害て…相変わらず俺の扱い雑だよな。こいつだって汗びっしょりだぜ?」
「壬生っちはイケメンだから問題ナシ」
「はいはい…。で、京極のことだけどさ…もう右半身の4割が壊死してきてる。急がねぇと移殖できる先が見つかったとしても手遅れになるんだよな…?」
「うん。前にも言ったけど、このままじゃ脳への酸素供給が不十分で記憶障害とか、出るかも。最悪の場合、脳死」
嵐は首に巻いたタオルで汗を拭きながら頭をぽりぽりと掻いて京極の横たわるベッドの前に立った。
「まさか人生で二度もアンタに助けられるとはな…でもよ、それで死なれちゃこっちは寝覚めが悪いんだよ。京極、アンタを絶対に救ってみせる!だから、もうちょっと待っててくれよな…」
「嵐…突然、何恥ずかしいこと言ってんの。鳥肌どころかジンマシンが出そうになった。救うって、どうやって?何か考えでもある?」
「…るっせーな。いいじゃねぇかよ。生死を彷徨ってる人には、三途の川渡っちまわないように呼びかけろって昔から言うだろ」
ベリーサの辛辣なツッコミに嵐は真面目に答えていた。
その様子を見ていた壬生も嵐の恥ずかしくなるような言動に些か酸っぱそうな顔をしている。
「とりあえず!クローンへの脳移殖以外で救う方法は…医者なんだからベリーサが考えてくれよ!」
「ない」
「即答かよ!」
「2人とも落ち着いて…とりあえず、ベリーサ先生が言う脳移殖の研究者であるマクラーレン博士のいるドイツに向かう、それが今の俺たちに出来る唯一のことなんじゃないんですか?」
夫婦漫才をなだめる役が定着してきた自分に、少し嫌気がさした壬生であった。
航海16日目
1月17日 AM 7:54
「なぁ、ベリーサ。この潜水艦って米軍の最新高速艦なんだよな?一体いつになったら陸に着くんだよ」
「そんなの、医者のアタシにわかるワケない。ただ、出航の時にすごく揺れた。何かに当たったのかな…それで壊れたのかも。こんなに時間かかるはずがない」
「だよなぁ…やっぱ南極で崩壊のダメージ受けてたんだろうなぁ…きっとみんな俺たちのこと心配してるぜ?」
「どうでしょうね…マクマード基地が崩壊して、2週間以上も音沙汰がないんじゃ、俺たちもう死んだことになってると思いますけどね…」
「死亡説か…サプライズのし甲斐があるな。まぁ、ワケのわからん秘密結社とやらに世界が支配されてなきゃいいけど…俺ら完全に浦島太郎状態だもんな」
「誰それ?」
ベリーサが話に割って入ってきた。
「え、いや…冷静にそこツッコまれると、ちょっと恥ずかしいからやめてくれ…」
その時だったーー艦内にアラームとともに放送が鳴り渡る。
"まもなく目的地に到着致します。オート航行からマニュアル航行へとシフトし、寄港の準備をお願いします"
「お!ついに来たか!たしかオーストラリアのメルボルンに設定してたよな。よし!ちょっと操舵室まで行ってくるわ!」
嵐が意気揚々と医務室を出て操舵室のある方へと走っていった。
それを見送る壬生の顔は完全に呆れの色で覆われていた。
「あの人…船の操縦なんてできんのかな…」
「できないでしょ、絶対。だって嵐だもん。座礁するよ、この船…怪我しないように何かに掴まっとこうよ」
ベリーサは呆れではなく、もはや諦めていた。
AM 8:13
オーストラリア メルボルン港
今年に入ってまだ17日しか経っていないというのに、すでに二度目。
背筋が凍るような激しい揺れとともに轟音が鳴り響き、艦内の照明は全て落ちた。
「いっつ…く、くそ…なんでこうなる?」
嵐は斜め45度に傾いた床と壁の角で、まるで便器に嵌った人のような体勢で呆気にとられていた。
そして医務室ではーー
「ベリーサの言う通りだったね」
「でしょ?」
床に固定されていたベッドは位置を変えることなくその場に留まっている。
そのベッドのパイプにぶら下がりながら、2人は深いため息を漏らすのだった…。